現在、24週 690gで生まれた息子の育児をしています。
息子は生まれてからNICUで114日間、GCUで81日間、合計195日間入院していました。
今回はNICUでの入院体験記をご紹介します。
結果だけ知りたい方は、最後のまとめをどうぞ!
NICU・GCUとは
全国のNICU施設数は188、病床数は1877です。
全国のGCU施設数は175、病床数は2532です。
(医療施設調査 令和2年医療施設(静態・動態)調査 確定数 都道府県編 )
退院までの経過
誕生 690g
妊娠23週のときに妻が違和感を覚え、病院に駆け込んだところ破水を疑われました。
そのまま入院し経過観察し、破水の疑いが強いためステロイドを注射。
その後、母体の炎症値が上がったため、帝王切開により出産となりました。
ステロイドの投与は赤ちゃんの呼吸障害を減らすのが目的です。
重症の切迫早産(妊娠34週未満での早産が予想されるなど)の場合に、お母さんへステロイド剤の注射が行われることがあるようです。
誕生後は、胃管(口から胃に入れるチューブ)、気管挿管(人工呼吸器)、おへそから点滴が入りました。
生まれたての赤ちゃんはおへその血管が一番太く、輸血や薬などはおへそから入れるようです。
心拍数や呼吸を測定するパッドを体に貼られ、血中酸素濃度を測るバンドを足につけて、常時モニタリングされます。
これらはGCUに行くまで継続でした。
妻は入院している病室で搾乳し、面会の際に母乳を届けます。
母乳は胃管から赤ちゃんに届けられます。
生後6日 注射がおへそから腕に 708g
おへそは生後1週間程度でとれてしまい、そこからの注射はできなくなります。
よって大人と同じように腕への注射に切り替わりました。
腕の太さが数cmしかないので、血管の太さはかなり細いと思います。
看護師さん凄いな…
生後26日 点滴が終わる 870g
腕から入れていた抗生剤などの点滴が終わりました。
吐き戻しがひどく、肺などで炎症が出そうだったので、予防もかねて抗生剤を継続的に入れていましたが終わりました。
腕の注射はしばらくそのままでした。
少しずつ体につながる管が取れていき、安心しました。
生後42日 気管挿管が終わる 890g
呼吸をアシストするために気管から入れていた管が抜けました。
肺が未成熟だったため、大気よりも濃い酸素を管から入れていましたが、徐々に酸素濃度をさげ、やっと管を抜くことが出来ました。
気管が細かったため、挿管が終わった後も鼻にマスクをつけて、少し高い圧力をかけて空気を入れることはその後も継続しました。(酸素濃度は大気と同じ)
身体に入っている管は、胃管のみの状態になりました。
生後48日 初カンガルーケア 932g
カンガルーケアとは早産児がお母さんに直接肌と肌を触れ合わせて抱っこしてもらうケアのことです。
以下のようメリットがあると言われています。
・皮膚接触によって児の体温が維持され、呼吸が安定し、体重増加を促進する
・母乳分泌が増し、母乳哺育の期間が長くなる。
・母子の愛着が深まる。
((https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/01/50_120118_1.pdf))
母乳分泌以外のメリットは父親のカンガルーケアにもあります。
私もこの3日後に初めてカンガルーケアをしました。
我が子を胸に抱いたときは自然と涙が出ました…
生後67日 直接母乳開始 1292g
母親のおっぱいから母乳を飲む練習が始まりました。
といってもまだおっぱいを吸う力は弱いので、母親の乳首を赤ちゃんにくわえてもらうだけです。
母乳は今までと同様に胃管から入れます。
面会時間が限られるので、直接母乳が始まってからは父親のカンガルーケアは無し。
カンガルーケアが出来る期間が短かったのでちょっと寂しかった…
生後84日 哺乳瓶での授乳開始 1678g
体力がついてきたので哺乳瓶からの授乳が始まりました。
必要量をすべて哺乳瓶からは飲めないので、哺乳瓶と胃管からの注入をミックスさせるかたちです。
ごくごくと哺乳瓶から母乳を飲む姿を見たときには、よくここまで大きくなってくれたと感動しました。
生後91日 保育器から出る 1839g
気温が一定になる保育器の中から出ることが出来ました。
以後はコットで寝るようになりました。
普通の赤ちゃんと同じような環境になってきました。
生後114日 NICU卒業、GCUへ 2305g
いつものようにNICUに行き、抱っこをしていると、突然GCUに移りますとの連絡が。
NICUに入る赤ちゃんが生まれ、押し出される形でGCUに移動することになりました。
移動するといってもNICUの隣の一室に移るだけ。
キャスター付きのコットごとゴロゴロ~とGCUに移動しました。
体重2305g、胃管を入れた状態、呼吸をアシストする鼻マスクを装着、という状態でNICUを卒業しました。
面会の方法
まだコロナウィルスの影響もあり、面会時間や人数などに制限がありました。
面会できるのは子どもの両親のみ。
時間は1日4時間。
事前の予約が必要です。
基本は父か母のどちらかのみで、週に2回まで父母同時の面会が出来ました。
私は育休に入っていなかったので、土日だけ面会に行きました。
また、母親が入院していてNICUに来られない場合や、コロナにかかってしまって外出できない場合などは、オンラインでの面会も可能でした。
我が家も、妻の出産直後に病室からオンライン面会を利用しました。
これは気の利いた配慮だと思います。
面会に行くと授乳やおむつがえ、抱っこなどをして一緒の時間を過ごします。
身体が小さい時は、綿棒に母乳を含ませて口に入れて、ちゅぱちゅぱさせたりしました。
機内モードにすることでスマホの持ち込みも可能で、写真をたくさん撮ることが出来ました。
おむつ
新生児用よりもさらに小さい5Sからスタート。
最初は体にまくこともできないので、おむつで体を挟むようにしていました。
その後5S→4S→3000g用とおむつサイズは大きくなっていきました。
養育医療給付により、医療費はかかりませんが、おむつやおしりふきの費用は自己負担になります。
5Sや4Sはアマゾンなどで買うよりも病院の売店で買った方が安かったです。
また3000g用も売店価格はamazonで買う価格とほぼ同じ値段でした。
看護師さんから「次からは一つ上のサイズを持ってきてください」と言われたら、サイズアップします。
いつサイズアップするかは分からないので、ネットでまとめて買うメリットはありませんでした。
NICUの様子
1人の看護師が多くても3人の赤ちゃんを見る体制になっていて、十分な人数で24時間面倒をみてくれました。
心拍数や呼吸、血中酸素を常時モニタリングしていて異常があればアラームが鳴って看護師さんが来てくれます。
赤ちゃんを抱っこしたりするとモニタリング用のパッドが外れてしまうことがあり、よくアラームが鳴ってしまいました。
どの看護師さんもとても優しく、産まれた直後から「かわいいね~」「どんどん大きくなるね~」と声をかけていただき、元気をもらえました。
病床数はおよそ12で、常に8割は埋まっている状態でした。
まとめ
今回はNICUに息子が入院した際の様子についてご紹介しました。
どの看護師さんも優しく、本当に元気をもらえました。
病院の皆さんの献身的なサポートによって、息子は退院することが出来ました。
感謝してもしきれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました!